メチャクチャ面白いは本当か?
"新しい未来"を届けるvivito映像プロデューサーに密着
"新しい未来"を届けるvivito映像プロデューサーに密着
様々なクリエイター達と共に、日々新しく創造的なプロジェクトに挑戦しています。
急成長中の同社現場からは「忙しすぎて回りません……。助けて下さい」という声も。
vivitoでは「クリエイティブがもたらす新しい未来を全ての人へ届ける!」というミッションを共にしてくれる仲間を募集しています。
(株式会社vivito 映像プロデューサー 新井京介)
vivitoの社員は口を揃えて「映像の仕事はメチャクチャ面白い」と話します。
はたしてその実態はどうなのか。本記事では映像プロデューサー新井京介さんのお仕事に焦点を当てます。
◆
始業開始時刻より1時間早い午前9時のオフィス。一番乗りで出社したのは新井京介さん。
「この時間が一番頭が回転するし、集中できるんです。なので今から集中しちゃいますけど……」
冗談めかした新井さんから、朝一番の笑い声が響く。
まだ従業員の一人だけのオフィス。しかしそこには、憂鬱さも気だるさもない。新井さんの出社で一気に明るくなった様子から、彼がどのようなマインドで仕事に向かっているのか、すでに垣間見た気がした。
新井さんは大学卒業後、プリンターの営業として活躍した後、vivitoに転職。異業種から映像の世界に飛び込んでから約10年になる。
未経験から長く活躍できる人材はそう多くないとされる映像業界。vivitoの慶太郎代表は新井さんを「顧客からのリピート率の高さは社内No.1ではないか」と評価する。一方で、「うるさい、声がでかい(笑)」とのお言葉も。そんな辻代表、どこか嬉しそうに話して見えたのは、気のせいではないだろう。
vivitoでの働きがいについて、新井さん自身はこう話す。
「自分で決めて自分で行動して――割と好きなことができている。それがvivitoのいいところなのかなと思います。会社には感謝してますね」
待遇面についても不満はないそうだ。
「お金は当然大事なんですけど、僕はお小遣い制なので。月収が増えても僕の使えるお金は基本変わらないし、まあそこはいっかなみたいな(笑)」
辻代表の言葉通り、新井さんの周りには笑い声が絶えない。
成長を続けるvivitoだが、近年は大きな困難も抱えていた。新型コロナウイルスの流行と営業不振、そしてコロナウイルスの状況が落ち着いてからも、厳しい業績が続いていたのだ。
この状況について、新井さんはこのように語る。
「相変わらずやばいなと。今年(※)は本当に売り上げがめちゃくちゃ落ちて、加えて原因もわかっていない。うちは人数が少ない分、一人ひとりの売り上げが会社の命運を握ってると感じます。僕は案件数だけなら一番持っているので、しっかり対応しなければと思います。クライアントへの対応はもちろんですが、クリエイターに対しても誠実な対応をと意識しています。『新井だからいいクリエイターを紹介しよう』と思ってもらうためにも」
※2023年時点の取材内容です。
ここ数年のvivitoは、けして安定しているとはいえない。しかし、苦境に立たされてこそいても、抗っていないわけではない。むしろ、今を抗い抜こうとする姿勢から、vivitoの組織としての強さ、メンバーそれぞれの強さを感じた。
今の状況を打破する方法の1つとして、新井さんは、これまで同様関係者と誠実に向き合うことを挙げていた。新井さんが普段どのように関係者と接しているのか、その様子を某現場から見ることができた。
オペレーターやクライアント複数人の商品PRのナレーション収録現場、和やかに進行していく。
ナレーションを担当された小林真奈さん(ボーカリスト・声優)は新井さんについてこのように話してくれた。
「出会ったきっかけは居酒屋です。女性のナレーションを使いたいという話をしていて、私が声優や歌をやってるので売り込んだんです」
HIDEさん(作曲家)は新井さんの仕事スタイルについてこのように話してくれた。
「仕事がやりやすいですね。新井さんって常にポジティブなんですよ。一緒にいる僕もポジティブな気持ちでいれます。それに、クリエイター側の目線でやり取りしてくれると感じます」
人への誠実さ、縁を大切にする姿勢が、関係者の言葉から伝わってきた。新井さんについてお話されるときの和やかな雰囲気も印象的だ。
その後の収録現場は、イメージのすり合わせに難航し、想定以上の時間を要する結果に。
一段落つくと、全員からほっとため息が。と、同時に、
「とりあえず飲みに行きましょうか」
新井さんの一言で一同笑い声に変わった。
プロデューサー――それは一般的に「現場をはじめ制作の責任を負う人」のこと。
新井さんには、現場を包括する、現場を盛り上げる――いや、現場と一緒になって盛り上がる、そんな言葉が近いような気がした。
休日の新井さんにも密着してみた。場所は原宿、新井さんはvivito主催の映画祭に顔を出していた。
「めちゃくちゃ面白そうなイベントなので来たかったんですよ。僕自身、もちろん映画が好きで、映画のプロデューサーをやるというのは野望としてずっと抱えているので」
新井さんの目は、今以外のところにも、常に向いているようだ。
異業種を経験してきた新井さんに、過去の仕事と現在のvivitoでの仕事についてあらためて訊いてみた。
「どちらが楽しいかと訊かれたら、もう断然今ですよね、今の方がめちゃくちゃ楽しいです。本当、天職だと思っているし、一生続けたい仕事だなって」
vivitoの映像プロデューサーの仕事を「天職」と断言した新井さん。実は、チャレンジの多いvivitoでも新しすぎるある企画を担当していた。
「サウナイベントを無理くり決定しました」
社内定例会議で、新井さんの声が響く。
この3週間後、新井さんの企画したサウナイベントの実施が決まっていた。もちろん、vivito初の試みである。
「定例会議後に自分たちでやろう」と決まりとなっている掃除をしながら、新井さんはイベントの集客への不安を口にしていた。
「サウナイベントのきっかけは、僕がサウナ好きだから。映画とはまた別の夢だったんです。でも、告知まで時間がない」選ぶ言葉からは確かに「焦り」を感じる。しかし、
「これ、見てください。社内の新人デザイナーが作成したんですよ」
社内の中、サウナイベントのポスターを発見すると嬉しそうに紹介してくれた新井さん。
彼からは、イベントへの期待、これから起こることへの期待を感じた。
イベントを行う「竜泉寺の湯 八王子」との最終打ち合わせ、近況は――。
「チケットの売上は、ゼロです」
事前300枚の販売を見込んだチケットが、開催10日前に1枚も売れていなかった。
打ち合わせ後、新井さんの姿は館内に。共同プロデューサーである井手次郎さん(サウナプロデューサー)と、ポスターを貼って回っていた。地道、しかし、今取れる最善の策だ。
井手さんに、新井さんについて訊いてみた。
「『サウナ好きなんですか?』という話から、そのとき開催していたイベントの話になって、話がはずんで。それが新井さんとの出会いでした。一緒にイベントをしてみると、新井さんって、めちゃめちゃ細かいっす。そこはそこまで頑張らなくてもいいのになって思うところもあるし、こんなところまでちゃんとやるのかと思うところもあって、すごく勉強になりましたね。きっと映像の仕事のときもめちゃめちゃ細かいプロデューサーなんだろうなと」
いかに斬新なアイディアを持っていようとも、大胆なアクションを取ろうとも、プロジェクトを成功させる上での細やかさは、プロデューサーとしてきっと欠いてはいけないものなのだろう。
会場での打ち合わせを終えた新井さんはこう述べた。
「行って良かったです。確認したかったことも全部確認できたし、ポスターも店舗の意向を踏まえつつ、こちらとして貼りたいところには貼れたので。まだまだ不十分ではありますけど、一旦できることはやれたのかなと思います。来てもらえれば盛り上がるイベントだと思うんです。もうやるしかないなっていう感じですね、とりあえず今は」
その後、オフィスではイベント告知の電話をかける新井さんの姿が。ビラ配りのため、何度も駅前にも出向いていた。機材の準備など念入りな準備が続く。
そして、イベント当日を迎える。
「とにかく今日は晴れてよかったです。僕、運が良いんですよ」
必要機材を車に詰め込み、会場に向かいながら新井さんは話した。
「こんなに大変だと思わなかったんですよ。僕が、保健所にも行って、下水道事務所に行って、資料も全部作って。うちのスタッフにもかなり稼働してもらって、僕がやりたかったことに皆を付き合わせてるみたいな感じになっちゃうんですけど。そういうのも許してくれる会社ってことですね」
当日、早朝にも関わらずvivito社員も駆けつけ、スタッフ達と着々と準備を進めていく。
そして、様々な障壁を乗り越えサウナイベントが開幕した。
平日にも関わらず、オープン直後からお客さんが来場した。
しかし、会場に新井さんの姿がしばらく見当たらない。
その姿は館内入口にあった。
「屋上でイベントをやってるから、帰りにぜひ寄ってくださいと声かけしていました。思ったより行ってくれなくて、気持ち的には折れかけていました」
この日はディレクターの佐藤憲太郎さんも家族で訪れていた。
「いやあ、思っていたよりすごくて。DJブースもあって、屋上という雰囲気も相まって、今まで体験したことないものでした。めちゃくちゃいいなと」
来場者としての素直で嬉しい感想だ。
新井さんに直してもらいたいことはあるか訊ねると。
「声がでかい。――嘘つくとき声でかくなるんですよ」
「はったりをかますときに声でかくなる?」と新井さん。
ときに大胆に動くことは、新井さんはじめ、vivitoの強さなのかもしれない。
夕方にかけて、徐々に来場者の数も増えていく。日が落ちてネオンが灯る頃には、夕食に向かう来場者の姿が。
会場は、昼間とは違った賑わいを見せていた。
会場を歩き回る新井さんは、納得の表情ではなかった。
「いや、イベントはすごくいい感じなんですけど。ちょっとお客さんの数が少ない。もっと来てほしい。……悲しいっす」
実際に足を運んでくれたお客様の満足は得られたが、来場者数自体が想定より少なく、課題の残るイベントとなった。
「とりあえず無事に終わってよかった。事前チケットが売れていなかったけど、当日呼び込んだら屋上に来てくれるんじゃないかなと思っていたんですけど、来なかったことが本当に残念。イベント制作チームがいい感じの空間を作ってくれたのに、集客が良くなかった。イベント自体は褒めていただけて、お客様の表情からも満足していただけたと感じました」
落ち着いた口調で、噛みしめるように話していたのが印象に残った。自身に、反省をしっかりと言い聞かせるようだった。
今回のサウナイベントについて、vivitoの久保哲哉執行役員はこのように話した。
「イベントって、最初は基本的に失敗するものなので。vivitoという会社は事業の特性上、受託業務の多い会社です。そこから抜け出すためには、初めてのことにも挑戦して、失敗も積んでいかなければいけない。そう思って今回のイベントも、良い意味で『失敗すればいいのに』と思いながら見ていました」
なぜ、vivitoは前例のないことをメンバーに任せられるのか、その本質があった。
1つのイベントが終わっても、映像プロデューサーの仕事は終わらない。
商品PR動画の撮影スタジオに、新井さんの笑い声があった。
「本当はこっちがメインなので。正直、サウナイベントは全然利益が出ず、それだけだと会社に迷惑をかけてしまうので。本業でしっかり収益を上げて、サウナイベントをやらせてもらってると思っています」
しっかりとパフォーマンスを出す場所、挑戦する場所。それぞれにどのようなバランスで挑むべきか、新井さんは日々向き合いながら走っているのだと感じた。
辻代表は、サウナイベントについてこう話す。
「サウナイベントは、会社的にはNGですよ。新井君には彼なりの考え方があって、その先につながるもの、見えるものがあったんでしょうから、会社として『一旦信用してもいい』という方向性になったんです。でも、新井君はトップセールスですから『その時間使ってやることですか?』っていうお灸は据えますけどね。基本的には自分の権限で判断して、必要だと思うんだったらやってくださいというスタンスです」
結果的にどうだったか、社長の目から振り返ってもらうと。
「駄目でしょう(笑)」
厳しくも愛があるお言葉だ。
経営陣をはじめ会社全体が、メンバーの意志を通し、見守り、フィードバックする環境をつくっているのだと確信した。
イベントプロデュースという新たな挑戦を終えた新井さん。今後の展望を訊ねるとこんな言葉が。
「第2弾のサウナイベントを!」
新井さんの野望は、はたして今後どうなっていくのだろう。
◆
目の前の、すでにあるものに取り組むだけが”仕事”ではない。
1つのアクションがどのようなつながりを生むのか、今あるつながりから何が生まれるのか。
その可能性を探り、選り、自分の手の中に留めるのではなく周囲に広げること、実践すること。
言葉でいうと簡単なように思えますが、会社という組織の中では非常に難しいことです。個人が意見を挙げる、個人の意志を活かす――さらに前提として、個人がクリエイティブな思考で日々を送ることができるかどうかが必要になってくるはず。
でも、vivitoはやっています。目の前よりも、さらに先にある創造を目指して。
vivitoの生み出す”新しい”は、挑戦的であっても無謀や無策ではなく、次の何かを掴む確かな足がかり。
ときに、職種すら越える創造性が、社員に「面白い」と言わしめる理由なのかもしれません。
About History
「動画プロデューサーの仕事はめちゃくちゃ面白い」
vivitoの社員達は決まってそう答える・・・。何がそうさせるのか?
会社のリアルな姿をドキュメンタリーで密着し、社員にもスポットを当てた。
広報を通して伝えられる表向きの言葉は無視し、本当のところを直撃する。約3ヶ月間の密着期間を経て見えてきた苦悩とその先にある喜びに迫る。
【 企業情報 】
株式会社vivito(ビビトー)
東京都渋谷区代々木3-36-8 B棟
2011年9月1日設立
資本金:100,000,000円
【事業内容】
映像制作・企画・中継・配信業務の受託
クリエイティブ全般の企画制作
自社コンテンツの企画制作・運営キストを追加